著作権について曲りなりに調べてCCライセンスなるものとってみました。
1・作品における著作権について
手続
著作権は基本的に著作物を創作した時点で自動的に発生。申請などの特別なことは不要
表記
Copyright (C) 1996-2001 *****, All rights reserved.
「Copyright」は著作権、
「(C)」は略記号
「1996-2001」は初版発行の年と最終更新の年、
「*****」の部分が著作者(社)、
「All rights reserved.」は「すべての権利は(著作者が)持ってるよ。」という意味。
日本の法律では、Copyright の記述の有無に関わらず、創作の時点で著作権が自動的に発生するため、この記述が法律的に意味を持つのは万国著作権条約には加盟しているけれど、ベルヌ条約には加盟していない国(アンドラ、サウジアラビア、ニカラグア、ラオス)に対してのみなのが実情。
しかし、国内においても「著作権で守られていることを意志表示する」という意義を示す役割はある。
有効期間
著作権の有効期間は「著作者の死後(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者の死後)五十年」。ただし、「戦時加算による特例」などもある。
法人や団体が著作権を持つ場合は「その著作物の公表後五十年」。連載物は基本的に最終話(三年以上続編が出ない場合は最後の話を最終と見なす)が公表時。
「一話完結形式の連載漫画」では「各回の漫画それぞれが著作物」にあたる。
2・音楽
JASRACの役割 … 著作権管理
権利者(創作者)が、自分で著作権を管理することはできるが、特に音楽は様々な分野で汎用されるため、
利用者に個別に対応するには、大変な労力を要する。
JASRACは利用者から使用料の支払いを受け、一人ひとりの権利者に分配する。
著作権管理団体はJASRACのほかに、「日本文芸家協会著作権管理部」(文芸)などがある。
音楽の利用
インターネットにおける著作権はまだ法律が追いついていないのが実情なので割愛。
映画/演劇などにおける利用はグレーだが、利用を知った権利者から申し出があったら折衝をする必要がある。場合によっては事後でも快諾してくれるし、逆に裁判沙汰になることもある。少なくともパンフレットやスタッフロールなどに楽曲のクレジットを乗せる場合は権利者に一報を送ったほうがいいと思われる。
商業的に大きい金額が動く場合や、コンクールなどに参加する場合も同じことが言える。
オフィスや飲食店などで音楽を流す場合もJASRACから利用料の請求が来る場合もある。
有線を利用している場合を除いて、基本的には許諾されていないが、JASRACが監視しきれていないというのが実情。
クラブでDJがかけるMIXについては今のところグレー。
JASRAC管轄外楽曲に関しては、JASRACに文句は言われる筋合いはないが、
流す曲のライセンスをひとつひとつとっていたら文化として成り立たない(不文律?)
MIXCDは、海外でもコンタクトしてライセンスを取った上で配布するのが基本的なルール。
ジャンク市で掘ったホワイト盤を適当にごまかしているケースも少なくない。
自分のライブで他人の歌を歌ったらJASRACから請求が来たというケースも稀にある。
しかし結局、著作権違反は親告罪なので、著作権者から訴えられない限り罰せられない。
例え警察が知ったとしても、著作権者が訴えないと取り締まれない。そういう意味では非常にグレーゾーンが多いのがこの法律の実情のようだ。
※補足 … 引用について
創作物の一部分を引用して表現の補助を行う場合は権利者に無断でも法に触れることにはならない。ただし、その場合は「引用法」を踏襲したうえで行う必要がある。
1.そこを引用する必然性がある(「面白い記事なので紹介したい」では必然性がない
2.質的にも量的にも、自分の文章が「主」、引用部分が「従」という関係にある
3.引用部分を「カギカッコ」などでくくり、どこからどこまでが引用か明らかにする
4. 出所の明示が必要。(出典。誰の何という文章か)
5.「正当な範囲内で」 = 引用しすぎてはいけない = 1~4を守っても、大規模に使うと違法。著作権者の不利益になるため
3・クリエイティブ・コモンズ
人の手によって生み出されたすべての作品は、著作権で守られているものと、そうでないものの、ふたつにわけることができる。
・(C)は、いわゆる「All rights reserved」、著作権がある状態
・(PD)は、パブリックドメイン。保護期間が終了したり、権利が放棄されている状態
[例]
○青空文庫 … 著作権が消滅した文学作品を収集・公開しているインターネット上の電子図書館
○ウィキソース … 著作権が消滅した著作物およびフリーライセンスのもとにある著作物を集積し、公開するためのプロジェクト
○格安DVDソフト … 『ファンタジア』、『ローマの休日』など、著作権が消滅した映画を格安DVDソフトとして販売する事例がある。権利者にライセンス料を支払う必要がないため、著作権が存続している映画のDVDソフトと比較して、販売価格は1〜2割程度に抑えられている。
(C)と(PD)の中間の選択肢として有効なのが「Some rights reserved」
このライセンスを「クリエイティブ・コモンズ」という。
「クリエイティブ・コモンズ」は4種類の条件を選択できる。
表示 作品のクレジットを利用時に「表示する」と「しない」
非営利 営利目的での利用を「許す」と「許さない」
改変禁止 元の作品を改変を「許す」と「許さない」
継承 元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開する。しない
※「改変禁止」と「継承」は同時に採用できない。
※ 2011年現在「表示」を採用することが必須条件
実際にあり得る組み合わせは次の6つのライセンス
表示(CC BY)
表示-改変禁止(CC BY-ND)
表示-継承(CC BY-SA)
表示-非営利(CC BY-NC)
表示-非営利-改変禁止(CC BY-NC-ND)
表示-非営利-継承(CC BY-NC-SA)
クリエイティブ・コモンズの例
・Into Infinity – ロサンゼルスのネット・ラジオ局dublabが立案し、サウンドとビジュアルの作品をアーティストがネットで発表し、その作品がさらにさまざまな人々によって活用されていくというプロジェクト。(CC BY-NC)
・Science Commons – 学術・科学情報分野における情報共有や研究活動のオープン化を進めることを目的としたプロジェクト。(CC BY)
・Nine Inch Nails – 『Ghost I-IV』、『The Slip』の2枚を、CC BY-NC-SAライセンスで提供。また、『Ghost I-IV』は4枚組のうちの初めの1枚”Ghost I”、”The Slip”は全曲が無料ダウンロード可能。
・intervall-audio – デュッセルドルフと東京拠点のネットレーベル。ハウス・テクノ・アンビエント等の電子音楽を中心にCCライセンス付きで配信。
メリットについて
(引用:CCライセンスで作品を公開するメリットはなんですか?)
学者は書いたものが複製・共有されることでその考えを世界に広められるかもしれません。
駆け出しのデザイナーは、評判を確立するために自分のスケッチが自由に普及することを奨励するかもしれません。
すでに有名になっている商業的ミュージシャンは、彼の完全に保護されているたくさんの曲に対する一般の興味を刺激するために、いくつかの曲をサンプルとして提供するかもしれません。
政治活動家は無制限の複製を通じてできるだけ多くの人々にメッセージを届けようとするかもしれません。
参照:あまり知られていない「Creative Commons」のメリット
4.ライセンスを取得しよう(和久)
前頁をかいつまむと、つまりCCライセンスを取ることで、作品における様々な可能性を開くことにつながる。ということらしい。
ライセンス付与ページ
http://creativecommons.org/choose/の質問に答える。
「あなたの作品の商用利用を許しますか?」
「あなたの作品の改変を許しますか?」
「ライセンスの管轄地」
追加情報に回答し、ついにライセンスが獲得される。
獲得までの所要時間は5分。
All rights reserved.で公開すると無断使用を許諾できないから展開のスピードが遅くなる。
No right reserved.だとあまりに愛がない。
Some rights reserved.ならチャーミングな和久の存在をもっと世に共有することができるかもしれない。
ライセンスによって変わってくる作品の展開の可能性ということで、
この動きはやはり面白いと思った。
